【幸せをつくる無敵の言葉学】
現役国語教師&ラジオパーソナリティ
松本エリハです。
言葉のグラデーション
温度とか長さとか、数字で表せるものは
その数字を見て
大きい/小さい
とか
高い/低い
とかいう判断をすることができます。
大きいと小さい、高いと低い、それぞれの間には
無数の「中くらい」のゾーンがあって、
グラデーションになって「大きい」と「小さい」の間を埋めています。
言葉にも、こうした
グラデーション
というものがあります。
例えば、「好き」と「嫌い」。
私たちの気持ちはシンプルにできていますが、
形がなく、とらえどころがないため
しばしば、この
グラデーションのどの部分に自分の気持ちがあるのか
ということを見逃してしまいがちです。
人の心にはスイッチやボタンがあるわけではないので、
少しずつ、自分でも気づかないうちに
感じることが変わっていたり
「いいな」と感じる度合いが増えてたり減ってたりします。
「自分が今、どういう気持ちなのか分からない」
というときには、この
グラデーションのどの辺りに自分の気持ちが位置しているのか
に意識を向けるのがおすすめです。
「好き」を100、「嫌い」を0としたら、
今の自分は20だろうか?70だろうか?
この間より数値が増えたとするならば、何が影響しているのだろう?
誰かに何か言われた?
新しい事実を知った?
というように、
気にするほどのことではない小さなことが
グラデーションの中にある自分の気持ちの目盛りを
右にやったり、左にやったりしているのです。
これをあえて言葉にすると、どうなるだろう?
言葉にならない気持ち。
その気持ちに「あえて」言葉をあてはめてみます。
すごく好き?
かなり好き?
けっこう好き?
まあまあ好き?
そんなでもない?
ていうか、嫌い?
・・・グラデーションの適した場所に「ピタッ」と合うとき。
「ピタッ」
と音がする(ような気がする)。
このように、気持ちと言葉のチューニングを習慣にすると
「気持ちを上手く伝えられない」
「言葉にできない」
こうした困りごとやもどかしさが、少しずつ減っていきます。
こうして、
常に気持ちに言葉を当てはめる
という習慣を持つと、
伝える
話す
といった動作が少しずつ楽になり、
次第に楽しくなってくるものですよ。
何も言わずに話を聞いてくれる人に、とにかく話す
という方法も、けっこう有効ですので、オススメです。
【幸せをつくる無敵の言葉学】松本エリハ
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