【幸せをつくる無敵の言葉学】
現役国語教師&ラジオパーソナリティ
松本エリハです。
「言葉にできない」には勝てない。だから言葉にする
私たちが日々感じることの種類と組み合わせが
いったいいくつあるのか、なんて。
浜辺の砂はいくつあるのですか、とか
空の星はいくつあるのですか、と尋ねるようなものです。つまり
感じたことや思ったことというのは、
数え切れることはないくらい
いくつもいくつもいくつもあって、しかも次々と変化していきます。
変化すればまた数は増えて
さらに数え切れない、そんな気持ちや感情を
私たちは毎日、毎秒、毎瞬間、
感じたり発したりして暮らしています。
言葉の数は有限ですが、
気持ちの数に限りはありません。
だから、私たちが感じ続けている気持ちや感情を
言葉で言いあらわす、なんてことは
とうてい出来るはずもないのです。
気持ちを言葉で表現する、なんてことは
出来ない無理な相談です。
言葉の数がぜったい足りないし、
目に見えない気持ちの変化のスピードに、言葉が追いつくはずがない。
だからこそ。
気持ちを言葉にする
という作業が、ほんとうに重要になるのです。
言葉を当てはめて、「言葉」というカタチを与えた次の瞬間には
気持ちは変化している、こんなにも捉えづらくカタチを持たない
気持ち
ですから、
これで言葉を与えなければ
私たちが感じたことは、次から次へとどんどんどんどん
消えてなくなってしまいます。
「言葉にできない」
強く心が動いた時ほど、こう思うのです。
どんな言葉を当てはめたって、完全に正確にあらわせる気がしない。
どんな言葉を当てはめるか、それ自体すぐには思い浮かばない。
「言葉」などという、既に誰かも使ったようなものを使って
大切な自分の、大切な気持ちを
あらわすことなんて出来るわけがない。
これらすべて、その通りです。
でも、だから。
だからこそ。
私たちは
「今、わたしは何を感じてる?」
このことに注目し集中し、
気持ちとアタマを研ぎ澄まして
「言葉」を捜すのです。
むしろ言葉を捜すという作業によってのみ、
私たちは自分の気持ちと向き合うことができるのだ
とさえ思います。
それが出来ない人は、この記事を見ていない
この考え方は、最近ほんとうにそうだなと実感しています。
特に不思議な話をする気はそんなにないのですが、
それこそ星の数ほどある、インターネット上の記事の中から
この文章に出会い、読んでもらえてる
これはほんとうに、その必然と必要がなければ
ありえないことです。
ですから。
言葉に出来ない気持ちを、言葉にする。
誰かに説明するためじゃないです。
まして、
誰かにどうにか思ってもらうためでもない。
自分が、「言葉」という魔法の道具を使って
自分自身と改めて出会い
もっと好きになって大事にする、その後押しをする作業です。
つたなくても、ありふれていても。
それは、あなたがつたないとか、ありふれてるということではない。
「今、なにを感じているか?」
これを常に問いかけることで発見する感覚や状態が
必ずあるはずです。
【幸せをつくる無敵の言葉学】松本エリハ
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